3.11被災地支援プロジェクト(H23特設ページ)

1.始まり

     

  •  (1) 平成23年3月11日午後(22年度末)
  •    本校は、23年度の入学生を決める選抜委員会の最中であった。大きな揺れを感じたが、会議は無事終了し
  •   入学予定者の検討を終えた。 高台にある本校は、津波の心配はない。情報収集のためスイッチを入れたテレ
  •   ビを見て絶句した。津波が、東北地方の太平洋岸に押し寄せ、未曾有の災害になった。
  •  

     (2) 人としてできること(4月)

  •    震災の状況が判明するにつれて、自分ができることは何かないか?ボランティア?募金?
  •    学校として、みんなが被災地のために何かできることを考えてみたらどうだろう?
  •    工業のものづくりを生かし、他人のため、社会のために尽くせる喜び、それは仕事の遣り甲斐と同じだ!
  •    みんなも、自分ができることを探しているはずだ!学校で学んでいてもできることを考えよう!
  •    ものづくりの教材を被災地の生活から見直して作製し、使ってもらえたらどうだろう。有難迷惑にならない
  •   工夫が必要である。決して自己満足ではいけない。
  •  

  •  (3) 連携先をNPO法人「遠野まごころネット」に(5月)
  •    校長会にて情報を入手、全国知事会の申し合わせで、静岡県は岩手県を支援することになっている。静岡県
  •   ボランティア協会からも説明があった。しかし、ボランティアではないしどういう糸口で繋がりをもとうか?
  •    工業のものづくりを生かすとなると、即納するものは難しく製作時間もあるので半年後くらいに活用できる
  •   もの、ニーズも予測していかねばならない。仮設住宅の生活で使えるものを基本に考えたら・・・
  •    富士常葉大学の防災学部の田中聡先生にも意見を伺った。行政機関は、配布に均等性を持たせる必要性から
  •   個数を要求されるため、要求個数に応じきれないだろう。
  •    製作物を必要なところに配布し、使ってもらえるところは?
  •   静岡県ボランティア協会が「遠野まごころネット」を紹介していたことを思い出した。
  •   とにかくメールを送って連絡を取ってみよう。
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  •  (4)校内への提案と財源の見通し
  •    全く新しい事業を興すのでは、先生方の負担感も大きく財源確保も難しいので、今までの課題研究など授業
  •   や課外活動を見直し、その内容を関連付けて製作などに取り組むことにする。財源としては。本校後援会に、
  •   お願いし、生徒の意欲・遣り甲斐づくりの教材として支出することを了解してもらった。
  •  

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2.計画

  •  

    東日本大震災のことを風化させずに、それぞれの心に留めておこう!

    「あの時、自分はこんなことをして人々の役に立てた。」という思いを、自信にしてほしい!

    他人が、なんとかしてくれると思うのは甘い!何とかするのは自分たちだ!

    他人のために、社会のために、本気になれる日本の若者の美しい心をいつまでも信じたい

     

  •  (1) 主旨
  •    東日本大震災では多くの被災した方々が避難所での暮らし等、不自由な生活を強いられている。被災者には
  •   子供からお年寄り、健常な方やそうでない方等が含まれている。さまざまな被災者の状況を思いやり、工業高
  •   校生として役立てていただけるものを製作し、被災地に送る。
  •  

  •  (2) 方法
  •    全校あげて取り組むので、様々なアイデアを5月中ににまとめて、製作予定物一覧を作成し、役立ちの可否
  •   を現地のNPOに打診する。静岡県は、岩手県を支援する割り当てから、NPO「遠野まごころネット」と連携
  •   していく。製作したものは、順次発送を原則とし、年内を目途に活動を行う。11月頃に代表生徒を伴い持参
  •   することも視野に入れていく。
  •  

  •  (3) 当初の製作予定物
  •    ・機械科(ベンチ、リヤカー、特別支援学校で使用するスイッチ類)
  •    ・電子機械科(アクリル板加工したパズル、ミニクリスマスツリー)
  •    ・電気科(カウントダウンタイマー特別支援学校用)
  •    ・電子科(パソコンの修理、LANケーブル)
  •    ・システム化学科(ひまわりロール、セラミック風鈴)
  •    ・数理工学科(機械系-ちりとり、電気系-ソーラー灯篭、化学系-アロマキャンドル)
  •    ・家庭科の授業(刺子布巾)
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  •  (4) 活動の方向性と実施検討
  •    ・製作を開始し、11月ごろ一度に送る予定であった。
  •    ・製作物を「遠野まごころネット」に打診、概ね了解を得たが、季節外れになる物もあると指摘を受けた。
  •    ・適時性もあり、メッセージの季節感もあるので製作物は完成したら、その都度すぐに送ることとした。
  •    ・メッセージを添えられるものは、極力メッセージも作成し、作成中の様子や工夫も伝わるよう考える。
  •    ・ひまわりロールは、栽培してくれた小学校、中学校からもメッセージを集めて被災地に送る工夫をする。
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3.活動(6月~ 製作等開始)

 

(1) 7月

  システム化学科2年生 セラミック風鈴

アルミナを石膏の鋳型に流し込む

乾燥していない部分を捨てる

型から抜いて淵をとる

H23furin-4

電気窯で焼いて磨きます 

H23-furin-5

短冊と紐をつけて完成

第1弾 風鈴30個 システム化学科

 数理工学科(機械系)ちりとり   2年生全員 家庭科授業で刺子布巾

塵取り 数理工学科

家庭科の授業 刺子布巾づくり(城 教諭)

7月第2弾 刺子布巾 家庭科

 ひまわりを各校で栽培(ひまわりロールの材料) 

富士市立大渕中学校

富士市立須津中学校

富士市立今泉小学校

静岡県立吉原工業高等学校(本校)

 7月中旬、システム化学科による セラミック風鈴30個、ひまわりの種等 を発送 静岡新聞などに掲載された

 7月下旬、刺子布巾200枚 を発送

 

 ※7月に、静岡県が高校生30人のボランティアを募集したため、今回のニーズ調査もあり、直ぐに応募した。が、

   300人以上の応募があり、落選。県の防災意識高揚の方が優先されたようだ。(残念)

 

  でも、この活動を理解し、真摯に努力してくれている先生や生徒がいる。頑張らねば!(校長の独り言)

 

(2) 8月

 8月上旬、高校総体全国大会レスリングの部が八幡平で開かれ、本校、米山君が出場のため校長が岩手に行く。

 途中、「遠野まごころネット」に資料を持参し、本校の活動協力をお願いに行く。

民話の里、かっぱ伝説もある。柳田国男「遠野物語」もあり、「飛行船」安部光俊の歌もある。

遠野まごころネットがある総合福祉センター被災地支援のベースキャンプ的存在。

 

大槌班、陸前高田班などと書かれた看板が並び、ボランティアや支援物資の仕分け、配送に忙しそうだった。こちらに負担をかけられない・・・

  ソーラー灯篭は、㈱オーディックスの畠山社長が趣旨に賛同してくれソーラーLED街灯となり全面的に協力して

  いただけることになった。また、予算の関係などから、日常性の低いものは(パソコン修理、LANケーブルなど)

  断念することにした。 

機械科 サンプルのベンチ

このベンチは、仮設住宅のコミュニティで使ってもらうために考えました。「まごころベンチ」として遠野まごころネットに、似た設計図が掲載されています。

電子機械科

アクリル板加工を利用して、パズルを作成予定。仮設住宅の表札なども考えたが、自分でできることは自力でやってもらうことも必要だと言われました。自分でやることで意欲と自信がわくかもしれないし、その通りだと思いました。

ヒマワリロール

大渕中学校、須津中学校、今泉小学校、本校などで栽培したヒマワリの茎からパルプを作り、それを含んだロールを作ります。

 

システム化学科

ソーラーLED街灯

㈱オーディクス全面協力

 生徒たちがデザインした形のものができます。

数理工学科

(3) 9月

  機械科のベンチづくり 

 システム化学科は、ひまわりの茎を各学校から回収、また、富士宮のひまわり畑からも回収、約2トンに及ぶ。

 

(4) 10月

  文化祭(吉峰祭)等で、支援製作物を展示

  • リヤカーの設計図

     

     

    アクリル版パズル 電子機械科

    組み立て式リヤカー 機械科

    東北6県をデザイン

         佐藤教諭

  • 実際の被災地の現状を知ること、届けたものの使い方、LED街灯の設置についてなどの目的で11月に生徒を派遣

    することを検討した。2年生の修学旅行中、3年生の課題研究で関わった生徒を対象として、派遣する。

     

    その事前調査として、佐藤克彦教諭、加藤浩教諭2名を派遣した。(10月19-21日)

    移動に1日かかるので活動日は10月20日である。2人は、製作物を説明し遠野まごころネットの会議に出席、

    現地の様子も下見してきた。

    折りたたみ式のリヤカー

    たたみ方を説明する佐藤教諭

    ソーラーLED街灯

    沿岸部は被害の傷跡生々しく

    電柱も津波のエネルギーで・・・

    仮設住宅群

    数理工学科(電気系)

  • ソーラーLED街灯は、かぐや姫伝説にちなんで、竹の形にして、電光掲示板も取り付けるようデザイン。
  • ㈱オーディックスの畠山社長は、自分の時間を割いて指導に当たってくれている。10月24日に加藤教諭視察
  • 報告の後、生徒デザインの実現に向けて協議に参加してくれた。SBSの取材を受けて生徒も緊張気味でした。
  • 加藤教諭の報告 SBSの取材

    生徒と共に㈱オーディックスの畠山社長が参加

    竹のデザインを説明する生徒

    11月7日には積み込めるよう完成を急げ!

  •  電子機械科で東北地方のパズル作成中

(5) 11月

リヤカーの溶接を頑張る機械科の生徒

学校説明会で被災地へ送るリヤカーの説明

11月2日ひまわりロール完成1500個送ります

筍型LEDライトの点灯試験

点灯試験に向けて㈱オーディックスの社員の方から説明

畠山社長も遅くまで指導してくれます

ようやく、形が見えてきた。ひまわりの葉で発電

発電用ソーラーパネルと花の取り付け

街灯の全容が形になってきました。

 

出発直前に完成した。

 

でも防水が・

 

 

 

 

点灯試験は成功した。

 

これ以外に、㈱オーディックスの既製品9本を送る。

 被災地に向けて出発!(積み込み)2011年11月7日

ひまわりソーラーと竹、筍LED

先に積み込みます

折り畳みリヤカー

ひまわりロール、ちりとり、石けん

製作に関わってくれた多くの生徒たち

文化祭の時の募金も派遣者代表に

ひまわり栽培に関わった人たちのメッセージ色紙

代表生徒に託して8日朝出発

(6) 11月 贈呈

 被災地での活動 2011年11月8日~10日

 全員で「遠野まごころネット」に伺ったのち2つに分かれ、数理工学科7人は仮設住宅に向かい、機械科4人と電子機械科1人は、製作物を持参して被災地の特別支援学校を訪問した。その後、合流して帰路についた。

 

 ① 「遠野まごころネット」へ(全員)

ホテルの駐車場で最終作業(防水対策など)

多くの人たちの思い込めてLEDは完成

遠野まごころネット代表自ら手伝っていただいた

ひまわりロールを確認するNPOの細川さん

リヤカー、ベンチ、ベンチ材料を下して整理

代表佐藤氏と石けんを確認する細川さん

僅かだけれど吉峰祭の募金も渡しました

既製品のLED街灯の点灯チェック

 ② 被災現場を経て仮設住宅へ(数理工学科7人)

釜石の現場を見て呆然

バスの窓から竹のLEDを下す

ソーラーパネル部分をトランクから

組み立て作業

点灯試験成功

仮設住宅の方々も喜んでくれた(手前はSBSの取材)

既製品LED街灯、チリトリの説明(西崎生徒会長)

ひまわりロール説明

ひまわりロールを配る

灯った街灯の前で記念撮影

 この活動は、SBSテレビ(静岡放送)イブニングアイで11月10日に放映されました。

 http://www.at-s.com/sbstv/program/eye/2011/11/post_1123.html

 

 ③ 被災地の特別支援学校へ(機械科4人、電子機械科1人)

  清風特別支援学校、清風特別支援学校遠野分教室、釜石祥雲特別支援学校の3校を訪問し、製作品を届け交流した。 

東北のパズルを製作し自ら渡す片瀬君(電子機械科)

目で時間の経過が追えるカウントダウンタイマー

(電気科製作)

福祉機器コンテスト入賞したエアフォースワン

ボーリングを楽しむための補助具

元気に交流してきました

高等部の生徒との交流

 この活動は、11月10日に現地の新聞社「岩手日報」で取り上げられました。岩手では特別支援学校と、高等学校の交流はないそうです。

 

11月10日夕方18:00 全員無事に帰校いたしました。

 

 ご協力いただいたNPO法人「遠野まごころネット」の皆様、清風特別支援学校、釜石祥雲特別支援学校の皆様、ありがとうございました。生徒の「疲れたけれど、遣り甲斐があった。」という言葉に、救われています。自分の遣り甲斐が見出せて、社会に尽くせる工業教育を教職員、生徒と共に考えていきたいと思います。自分を守る教育から、人を思いやる教育に変えていく努力をしたいと思います。

 

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4.今後に向けて

   次年度以降は、地元地域の介護施設等の支援活動につなげたい。

   生徒自らの役立ち感や工業の地域貢献度など、テーマを持つことによって意識を高めたい。

   そして、地域から応援してもらえる人づくり、学校づくりをしていきたい。

 

 

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